主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 172_1
水中ドルフィンキックでは、抵抗を減らすために前方から見た断面積を小さくすることで減速を抑制できると考えられている。近年、速い泳者ほど膝関節の屈曲角度が小さいことが報告されている。本研究では、テーピングを用いた強制的な膝関節の可動範囲制限が水中ドルフィンキックの泳速度に及ぼす影響について調査した。大学競泳選手17名が参加し、メトロノームでキック頻度が一定となるよう調節した上で、水中ドルフィンキックで泳いだ。始めに通常泳(Pre)、次に膝関節の屈曲が制限されるようテーピングを施した状態(Tape)、最後にテーピングを除外した後に再度泳いだ(Post)。これらの泳動作を2次元動作分析した。その結果、平均泳速度においては、Preに比べてTapeでは有意に減少し、Postでの有意な変化は認められなかった。一方で、Preに比べてPostにおいてけり上げ動作中の減速の程度が大きくなっている様子が観察された。このことから、膝関節へのテーピングの事後効果として、水中ドルフィンキックにおけるけり上げ動作中の抵抗を増大させる方向に働く可能性が示唆された。