日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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大会組織委員会企画シンポジウム
スポーツと“ひと・社会”
伊藤 章
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p. 17_1

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抄録

 2011年「スポーツを通じてすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会を目指す」という趣旨の「スポーツ基本法」が国家戦略として公布された。機を同じくして、日本体育協会は「スポーツの力を、主体的かつ健全に活用することは、スポーツに携わる人々の新しい責務である」とした「スポーツ宣言日本」を示した。それから5年が過ぎた今、東京オリンピック・パラリンピックに向けた種々の活動は日本社会を揺り動かしている。代表選手の選考や金メダル獲得数の算段、メイン会場の設計やエンブレムの設定コンペなど、スポーツに関する競争的・経済的な出来事ばかりが人々の関心の的となっている。

 オリンピック憲章では、オリンピズムは普遍的な倫理規範を尊重し、人間の尊厳保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、スポーツを人類の調和のとれた発展に役立てるとしている。しかし、今オリンピックをはじめとするスポーツ活動が“ひと・社会”の平和的な発展にどれほど貢献できているのか疑問もある。

 日本体育学会の定款では、体育学と我が国の学術の発展を目的とし、関連する事業を行うとある。本シンポジウムでは、スポーツが“ひと・社会”の平和的な発展に果たすことができる役割と方法論を確認し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックとその後に向けて日本体育学会が果たすべき社会的な責務を提案しようとする。

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