主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
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スポーツにおいて長期目標を達成するためには短期目標の達成の積み重ねが有効であるといわれている。しかしながら、テニスは対人スポーツであり、タイムや距離などの記録を伸ばすスポーツよりも、具体的な短期目標を設定しにくいという実情がある。筆者はこれまで、男子選手を対象として、「早熟型」の選手は「晩成型」の選手の最高ランキングを大きく上回っており、その要因としてテニス男子ツアーの構造が「早熟型」に有利に働いていることを明らかにした。その結果は同時に、10代のランキングや出場大会が後の選手キャリアに影響し、各年齢時の短期目標を設定し達成していくという過程の重要性を示している。本研究では、対象を女子選手とし、男子ツアーとの比較分析をとおして、テニス女子ツアーであるWTAツアーの構造を明らかにするとともに、ランキング推移を追うことで、各年齢時において目安とすべき到達ランキングを求めた。その結果、テニスにおいて女子は男子よりもより低い年齢でランキングを上昇させていかなければトップ選手になることが難しく、その意味では男子よりもさらに計画的な育成を行う必要性があることを明らかにした。