日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第67回(2016)
会議情報

シンポジウム
スポーツ環境を変革できる可能性と課題
内田 若希
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 46_2

詳細
抄録

 競技レベルの高まりを見せるパラリンピックは、厳しい条件をクリアした世界のトップアスリートだけが出場できる国際競技大会へと成長を遂げた。近年では、障害者雇用の法定雇用率達成と企業貢献などの観点から、パラアスリートを雇用する企業の数は増加の一途をたどっているが、アスリート雇用のメリットばかりに焦点が当てられ、そのデメリットや必要とされる支援は不透明なままである。そこでまず、パラアスリートを取り巻く課題と心理・社会的支援のあり方について取り上げていく。加えて、パラリンピックを景気とする意識の変革についても触れていきたい。2012年、パラリンピックは60数年ぶりに発祥の地ロンドンへと還った。このロンドン大会が目指したものは、人々の意識や社会の変革、すなわち、違いを認め合う共生社会のさらなる成熟にあったとされる。2020年に、オリンピック・パラリンピックが56年ぶりに東京に還ってくることとなる。スポーツ環境だけでなく、われわれの意識の改革もまた、その成果として問われる必要があるのではなかろうか。

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本体育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top