日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第67回(2016)
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シンポジウム
人類学研究手法をコーチ実践力向上に活かす
新しいコーチング学の創造
伊藤 雅充
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p. 68

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抄録

 コーチングは構造化された即興である。コーチは、複雑で動的なコンテキストの中で状況を読み、意志決定を行い、行動を起こす(あるいは起こさない)。より良い即興を行えるようになるため、我々の研究室ではシステム思考や非線形教授法などをベースにした大学院コーチ教育プログラムを提供している。そこでは、コーチング場面で次々に表面化してくる現象に対処するだけでなく、その背後にある前提認識や強力な固定概念などを読み取り、自らのコーチング行動の修正を行うことで、できるだけ根本的な課題の解決に結びつけようとしている。このプロセスにおいて、個人の思考や心理、個人間の関係性、組織文化などを解釈していく様々な研究手法が大いに役立っている。今回のシンポジウムでは、勇気ある大学院生とともにおこなってきた、既存の学問の枠組みを越えた新しいコーチング学創造に向けた挑戦について紹介する。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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