日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(00) 体育哲学
00哲−24−口−02 J.デューイの社会論に基づく体育概念の方向性について
*神野 周太郎
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p. 78_2

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抄録

 本研究の目的は、デューイ哲学を再評価する中で、特に彼の社会論に注目しつつ、それに基づく体育概念の方向性について検討することである。デューイの社会論は、「社会」「共同体」「個人」の「より以上の成長(more growth)」を目指すものとして提示され、それを実現するための教育、とりわけ「個人の経験」の教育の重要性を説くものである。デューイは、個人の経験とは社会生活の過程で絶えず生起するもの、すなわち個人の「実践的」活動の中で生起する出来事に付随して獲得されるものとする。実際的な出来事とそこでの個人の経験に着目しつつ、その教育的意義の視点から社会の在り方を見通すというプラグマティックな態度は、まさにデューイ独自のものといえよう。このような議論の体育への接続は、彼の社会論に基づいて個人の「身体的実践」の教育的意義に注目することであろう。デューイ哲学に依拠した体育論議は、「身体的経験」に依る人間の「成長」を現在的な教育問題から問うことでもある。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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