日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(01) 体育史
01史−26−口−13 体操と音楽伴奏の関係についての研究
体操伝習所における体操とその音楽伴奏について
*曽我 芳枝
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p. 90_1

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抄録

 筆者はこれまで唱歌遊戯の成立過程について『雅楽録』をもとに研究を進めてきた。その過程で、東京女子師範学校附属幼稚園で主任保母をしていた松野クララが、1880年から体操伝習所において洋琴弾方嘱託職員として勤務していたことを知った。現代にあっては運動と音楽の結びつきの事例は豊富に展開されるに至っているが、日本の近代体育草創期にあっては、身体運動としての体操に関して音楽伴奏はどのように捉えられていたのかを究明する必要があると考えられる。この初期の段階においての体操と音楽との関係については必ずしも十分な研究がなされてこなかったといえよう。本研究は、体操伝習所のお雇い外国人リーランドが関係した体操書と、体操伝習所とほぼ同じ時期に日本の音楽教育の基礎確立の課題を負って設立された音楽取調掛の資料を保存している東京芸術大学附属図書館貴重書資料データベースの資料を検討して当時の体操と音楽伴奏の関係について考察した。その結果、日本の近代教育の創設期にあって、幼稚園での唱歌遊戯の音楽伴奏だけでなく体操(主に軽体操)においてもまた音楽伴奏は必要と考えられ、体操伝習所において取り入れられたことが明らかになった。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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