主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 105_1
本研究では、競技特性の違いによる実力発揮場面と実力未発揮場面の思考内容を検討し、実力発揮場面に繋がる思考を明らかにすることを目的とした。調査対象者は、体育専攻学生61名(オープンスキル28名、クローズドスキル33名)であった。オープンスキルとクローズドスキルの実力発揮の有無による心理的ストレス反応尺度と日本語版PANASの得点について対応のあるt検定を行った結果、両スキルともに実力発揮場面は実力未発揮場面に比べて「思考力低下」は有意に低く、「ポジティブ感情」は有意に高かった。また、思考内容について実力発揮場面ではオープンスキル、クローズドスキルともに「積極的姿勢」「スキルの教示・作戦」の割合が高かった。特に、オープンスキルでは「作戦」という思考の割合が高く、クローズドスキルでは「スキルの教示」という思考の割合が高かった。つまり、実力発揮場面ではポジティブ感情が高く、思考力が高かったといえる。一方、「作戦」では、チームの役割を理解し作戦を立てること、「スキルの教示」では、自己の動作に注意が向けられることによって実力発揮に繋がるものと推察される。