日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(04) 運動生理学
04生−09−ポ−21(21) 運動学習に対する低酸素環境の影響
自転車エルゴメータを用いた学習課題での検討
*松林 武生
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p. 140_1

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抄録

 低酸素環境下では、神経系にも様々に影響が生じることが報告されている。本研究は、自転車ペダリング運動を用いた学習課題に対する運動学習過程に、低酸素環境が影響を及ぼすかを検討した。

 リアルタイムにペダリングトルクをモニタすることが可能な自転車エルゴメータ(Wattbike社製)を用い、ペダリング時のトルク発揮をターゲットにあわせる学習課題を作成した。ランダムな形状のターゲット5種類を準備し、これを連続的に2分間ずつ提示した。ターゲットと発揮トルクとの誤差の推移を、30秒時間窓の移動平均を用いて観察し、ターゲット提示初期の誤差量に対して、提示終了までにこれが縮小した割合を算出することで、学習率を評価した。9名の成人男性被験者を対象に、常酸素下および常圧低酸素下(酸素濃度14.5%)にて上記課題を行わせ、学習率を条件間で比較した。この際のペダリング速度は50rpm、運動強度は120Wに設定した。その結果、学習率に条件間での有意な差は認められず(常酸素条件;0.83±0.07、低酸素条件;0.85±0.07、平均±標準偏差)、少なくとも本実験条件では、運動学習過程に対して低酸素環境は影響しないことが示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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