日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第68回(2017)
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一般研究発表(05) バイオメカニクス
05バ−10−ポ−23(23) 片脚支持回転動作における上肢の角運動量生成メカニズム
回転数の増大が身体長軸周りの角運動量に及ぼす影響
*井村 祥子飯野 要一小池 関也
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p. 156_2

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抄録

 バレエの身体長軸周りの回転動作において、目的の回転数を実現するにはバランスの保持とともに回転開始時の上肢による十分な角運動量の生成が必要となる。上肢の角速度増大のためには体幹の回旋を利用することも有効となるが、そのような指導は審美的理由から避けられる。本研究の目的は、回転数の増大に伴い上肢の角運動量が増加する要因を動力学的に明らかにすることである。バレエダンサーによる1から6回転までの片脚支持回転動作を撮影し、左右上肢の運動学的パラメータを求めるとともに逆動力学演算によって各関節トルクを算出した。そして対象とする系の運動方程式を利用して、上体の重心周りの上肢の角運動量に対する関節トルク、重力および運動依存項などの動力学的な貢献を算出した。その結果、上肢の角運動量は関節トルクの即時的な効果により増大した後、関節トルクの累積的な効果として現れる運動依存項の貢献により増大していることが明らかとなった。回転数の増大による角運動量の増加に対して、これら各項のピーク値が増加しており、このメカニズムが強調される形となって表れていた。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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