06経−09−口−09 プロスポーツ経営に関する研究動向と方法論的課題（1）

抄録

　近年、スポーツ経営学領域では、プロスポーツの経営に関する研究が量産されている。にも拘わらず、それらの蓄積を反省的に論じた研究は、松岡（2007）、大野（2010）に限られている。しかも彼らの考察は、「マーケティング」という限定的な視点に立脚し、研究の分類、整理に留まっているため、これまで我が国ではどのようなプロスポーツ経営研究が行われ、どのような限界や課題があるのか、といった問いに十分な解を与えるものではない。以上を鑑み、本研究では、従来のプロスポーツ経営に関わる先行研究を包括的に収集、分析することで、我が国におけるプロスポーツ経営研究の動向を明らかにする。加えて、先行研究における対象論（なにを）、目的・性格論（なぜ）、方法論（どのように）を分析視点に含み入れることで、それらの方法論的限界および課題を析出することを目的とする。本研究では、CiNiiにおいて「プロスポーツ」をキーワードに該当した論文、加えて、それらの引用参考文献を分析の対象とした。分析の結果、我が国におけるプロスポーツ経営研究の動向が明らかになり、これまで見過ごされてきた研究課題が明らかになった。