日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(09) 体育方法
09方−10−口−30 競泳選手におけるVR映像がパフォーマンスに及ぼす影響
*林 享草薙 健太水上 拓也松井 健
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p. 217_3

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抄録

 近年、スポーツ選手の競技力向上を目的として、体力や技術のトレーニングに加えて、精神面のトレーニングとしてのイメージトレーニングが注目されている。最近では、水泳界において、小型防水ビデオカメラを用いることで水中でも主観的な映像からバーチャルリアリティー映像(VR映像)を体験することが可能になり、競泳選手の新しいイメージトレーニングの手法としてVR映像が使用できる可能性が考えられる。以 上のことから、本研究の目的は、競泳選手におけるVR映像が、最大努力泳に及ぼす影響を明らかにすることとした。本実験には、鍛錬された男性競泳選手11名が参加した。被験者はVR映像視聴(VR)とVR映像視聴しない(コントロール)試技を行い、VR試行では視聴直後に100m自由形全力泳を行った。測定項目は、100m泳タイムおよび乳酸値であった。実験の結果、100m泳タイムはVRがコントロール条件より速くなる傾向がみられ、レベルが低い選手ほどタイムの改善が顕著であった。また、乳酸においては、最大値がVRにおいて高くなる傾向にあり、最大値から全力泳後10分後までの減少量も、VRがコントロール条件に比べて有意に大きかった(p<0.05)。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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