日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第68回(2017)
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シンポジウム
反・反知性主義的スポーツ論
29年度テーマ:懐疑主義的スポーツ論
関根 正美坂本 拓弥
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p. 26_1

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抄録

 われわれ体育・スポーツの内部にいる人間は、スポーツの存在そのものを善ととらえ希望を語る傾向にある。しかしながら、スポーツ界で繰り返し起こる不正や暴力、オリンピックにまつわる政治と金銭の問題などを見ると、そのような楽観的見方に疑問が生じる。このような態度でスポーツを考えることが本シンポジウムで使用するフレーズ「反・反知性主義」の意味である。スポーツにおける反知性主義ともいえる傾向の中で、われわれ人間存在とスポーツの未来はどのように描くことができるのだろうか。このことを考えるためには、スポーツそのものを一度反省的思考でとらえる必要があると考える。そこで、2年間を通してスポーツに対する楽観主義的ナイーブな心性を反省し、懐疑主義的態度によってスポーツを分析し、それでも尚なぜゆえに、どこにスポーツに希望を見いだせるのかについて議論したい。1年目は「懐疑主義的スポーツ論」を提題趣旨の中心にして、近代スポーツの功罪や人生・社会への影響について演者の方々に話題を提供していただき、近・現代スポーツにみられる反知性主義的態度に抗する形で懐疑主義的にスポーツを考えてみたい。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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