日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(12) スポーツ人類学
12人−09−口−02 民俗フットボールの教材的価値の検討
「体育理論」における「文化としてのスポーツ」の教材として
*吉田 文久
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p. 288_2

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抄録

 2012年に中学校、2013年に高等学校の学習指導要領が改訂され、「体育理論」は、各学年において、授業時数、具体的な内容が明示された。そこでは、スポーツを文化として捉え、スポーツが有する豊かな内容を知識(教養)として学ぶために、体育の授業の中で体育理論を座学として義務づけ、位置づけられることになった。しかし、そのように改訂されながら、実際は体育理論の授業づくりのための知識や情報が不足し、それによる実践報告の蓄積もほとんどされていない。

 そこで、本稿では、今後、体育理論の内容の柱の一つとされる「文化としてのスポーツ」を学ぶ授業試案を提案するための基礎的作業として、まず、これまでの体育理論の取り組みを改めて総括し、新しい体育理論の授業に寄せられる内容を整理した。そして特に、筆者が文化研究として取り組んできた民俗フットボール研究の成果をもとに、「文化としてのスポーツ」における民俗フットボールの教材的可能性について検討した。その結果、民俗フットボールには「民衆娯楽からスポーツの誕生の歴史」、「ルールの意味とその変容」、「伝統の継承と近代化」といった視点から教材としての可能性が見出される。

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