日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第68回(2017)
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シンポジウム
お茶と健康
中村 順行
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p. 55_1

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抄録

 静岡県は全国でもトップクラスの健康長寿県である。その要因のひとつとして、全国一のお茶の産地であり、日ごろからお茶をたくさん飲んでいることが上げられている。茶と健康については、茶成分のさまざまな機能性が科学的に次々と明らかにされ、世界中の関心事となっている。なかでも、嗜好飲料として重要なカフェインはもとより、他の植物には見られないカテキン類やアミノ酸の一種であるテアニンには特筆すべき機能も多い。特に、カフェインには自律神経系興奮作用や運動能力促進作用などがある。また、カテキン類の機能性は、抗酸化、抗がん、抗老化、抗高血圧、抗動脈硬化、抗肥満、抗菌作用など広範囲に及んでいる。さらに、テアニンには脳神経機能調節作用、リラックス効果、記憶・学習能作用などがある。これらの研究は、細胞や動物レベルはもとより、最近ではヒト試験も増えている。しかしながら、茶は基本的に医薬品ではなく、単にお茶を飲むだけでなく、暴飲暴食をせず、適度な散歩、ゆったりとしたお茶のある生活が重要と考えられる。ここでは、お茶と健康とのかかわりについて幅広く紹介したい。

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