主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
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本稿では、身体感性論を支える主軸である「改良主義」を中心に、身体感性論と教育の接点を探り、特に教育の一断面として体育を取り上げる。まず、身体感性論における改良主義がどういった内容であるかを確認する。次に、教育における改良主義、もしくは、改良を主な内容とする思想を批判的に検討する。例えば、教育における優生思想や、啓蒙主義から由来する近代教育が挙げられる。以上の内容を踏まえ、教育、特にここでは教育の具体的な一例としての体育において、新しい改良主義の構築を試みる。
体育は、改良の具体的な姿が目に見える形で明瞭に現れる側面があり、また、体育が主とする教材であるスポーツにおいても改良は記録・成績向上といった明瞭な形で現れる。体育における既存の改良の概念は批判的検討の余地があると考えられる。従って、本研究は既存の改良の克服を試みる新たな改良の姿を、身体感性論や中村敏雄の体育論を用いて試みることを目的とする。