日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(01) 体育史
01史-10-口-11 戦前期の埼玉県における武道教員の資格取得状況
*古川 修
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p. 69_2

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抄録

 戦前期における小学校、中等学校では有資格教員の確保が課題となっていた。中等学校教員については官立の養成学校の他、指定校、許可校といわれる養成学校(間接検定に分類される)の増加や、直接検定である試験(いわゆる文検)や経験年数を大きな条件として取得可能となる間接検定等が実施された。このような方策によって無資格教員が徐々に減少してきたが、女子校に比べ男子校の中学校や実業学校では解消とまでは行かなかった。それは武道担当者に無資格教員が多くみられたからであった。

 本発表では昭和10年代の埼玉県における中学校の武道担当教員に着目し、彼らの職名、担当科目、俸給の額、免許取得状況を明らかにする。また、有資格者の場合には「教員免許台帳」を参照することにより生年月日が明らかとなり、その当時の年齢も算出が可能となる。つまり、個々の俸給額の違いは年齢や学歴や経験年数や勤務校による違い等の理由が検討できることにもなる。さらに、ある武道担当教員の事例から、武道と教員との関わりを検討することにより無資格教員の解消に至らなかった理由の一端を考察したい。

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