主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第69回大会
開催地: 徳島大学常三島キャンパス/あわぎんホール
開催日: 2018/08/24 - 2018/08/26
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インドネシアの子どもたちにとっても、スポーツや運動遊びといった身体活動は、心理社会的健康の維持・増進に重要な役割を果たしている。特に、スポーツ環境があまり充実していない村落部では、専門用具をあまり必要としない伝統的な運動遊びが重宝されている。また、このような伝統的な活動は、宗教性やスピリチュアリティの発達にも資すると推測される。そこで、伝統的運動遊びの経験が、インドネシアの村落部に住む子どもたちの心理社会的側面の状態とどのように関係しているのかを検討することとした。調査対象は、ジョグジャカルタのムラピ火山近くに住む小学6年生305名であった。これらの児童に、6種類の伝統的運動遊びと6種類の現代スポーツの経験・実施頻度を、「なし」から「ほぼ毎日」の5件法で回答させた。また、DASS(The Depression Anxiety Stress Scales)、独自に作成した社会的スキル尺度、および、RaSSY(The Religiosity and Spirituality Scale for Youth)を用いて、子どもたちの心理社会的側面の状態を測定した。分析では、運動遊び・スポーツ経験を独立変数、心理状態等を従属変数として、これらの関係を検討した。