日本体育学会大会予稿集
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第69回(2018)
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一般研究発表(05) バイオメカニクス
05バ-24-ポ-01 加速疾走中に発揮するパワーと下肢関節の最大筋力およびパワーとの関係の検討
*篠原 康男鳥取 伸彬
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p. 137_1

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抄録

 本研究では、水平方向への加速疾走中に発揮するパワーと鉛直方向への跳躍時に下肢が発揮するパワーおよび下肢関節の最大筋力との関係について検討した。男子学生短距離選手9名に、静止状態からの最大努力での70m走を行わせた。試技中の疾走速度変化をレーザー式速度測定器により測定した(100Hz)。得られた疾走速度変化の実測値を、Samozino et al.(2016)の手法により数式化し、最高速度や疾走中に発揮された力およびパワーを算出した。また、Morin and Samozino(2016)の手法をもとに、負荷重量の異なる垂直跳びをマットスイッチの上で行わせ、被験者が跳躍時に下肢で鉛直方向へ発揮するパワーの最大値および下肢の力―速度関係を算出した。さらに、被験者の下肢関節の筋力について、最大伸展および屈曲トルクとパワーを筋力評価システムにより測定した。分析の結果、垂直方向への跳躍時における下肢の力―速度関係の傾きは、加速疾走時における速度増加に伴う水平方向に発揮された力の割合の減少率と有意な相関関係にあった。このことから、下肢の力およびパワー発揮能力は加速疾走能力と関係するものと考えられた。

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© 2018 一般社団法人 日本体育学会
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