日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第69回(2018)
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企画シンポジウム2
「学校と地域の協働・融合」に不可欠なスポーツ組織間の連携とその可能性:スポーツの公共圏の視点から
水上 博司
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p. 9_2

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抄録

 スポーツ庁が公表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、「学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ環境整備」が期待されている。そして、こうした環境整備には、地方公共団体や地域の体育協会、競技団体のほか、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団との組織間の連携が不可欠であると言われる。ではいったい公共や民間といった性格の異なるスポーツ組織間が、学校運動部課題の解決にむけて、どのように連携できるのか。これまでにも繰り返しその必要性が問われてきたスポーツ組織間の連携は、学校運動部の今日的な課題をめぐって政策参画型の質が問われているのではなかろうか。本報告では、以上のような関心を踏まえ、総合型地域スポーツクラブの育成支援を目的としたNPO運営者の立場から学校運動部課題をめぐる組織間の連携とその可能性を「新しい社会運動論」や「ラディカル・デモクラシー論」の視点からみたスポーツの公共圏として捉えてみたい。演者は、こうした公共圏に期待されるアドボカシー(政策提言)機能こそ、学校運動部課題の困難性を克服できる「地域におけるスポーツ環境整備」の一端ではないかと考えている。

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