主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
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不確定性のある中で行動を選択し実行する場面において、行動選択に対する確信度が高いほど選択された行動のパフォーマンスは高くなるのか? 例えば、野球の盗塁でランナーは、投手の投球モーションから投球方向を予測しスタートする。この際、予測に対する自信や迷いは走塁に影響しそうである。そこで本研究は、盗塁における投手の投球方向の予測判断の確信度が高いほど走塁タイムは短縮するとの仮説を検証した。地方1部リーグ所属の大学硬式野球部男子部員20名を対象とし、盗塁をモデル化したスプリント走(投手の投球動画を見て打者方向への投球だと判断した時点でスタートし10 mを全力疾走する)24試技を実施した。マットスイッチにてスプリントタイムを、visual analog scaleにてスタート時の投球方向予測に対する確信度を測定した。各対象者のスプリントタイムと確信度は総じて負の相関関係にあり、確信度が高ほどスプリントタイムは短縮する傾向にあった。したがって、盗塁のような予測をともなうプレーに失敗のリスクはつきものだが、判断に確信を持つことでパフォーマンスは向上し、成功の可能性を高めることが示唆される。