主催: 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
コロナ禍に伴う、外出自粛・運動の場の閉鎖・テレワークの急拡大等により、人々の身体活動量が減少した。特に、高齢者では、社会的交流の低下とともに、フレイルや認知症のリスクが上がったと報告されている。一方で、2021年はスポーツ実施率が過去最高を記録するなど予想外の報告も出てきている。海外では、経済的に豊かな地域に住む住民は、日常生活で減少した身体活動を余暇の活動で補っているが、貧しい地域の住民はそうでないことなどが報告されている。我が国でも、緊急事態宣言後の高齢者の身体活動の回復度合いは、社会的つながりによって違いがあることが明らかになっている。すなわち、コロナ禍に関連した身体活動量の変化には、社会経済状況が関与している可能性があり、健康格差を拡大させてしまう懸念がある。このような状況を打破するために、各地でオンラインを活用した運動の機会の提供が試みられているが、その検証は緒に就いたばかりといえる。本シンポジウムでは、最初にコロナ禍に伴う身体活動・運動・スポーツの変化について整理し、その後、我々が行っているオンライン運動教室の実践研究について紹介する。