日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第73回(2023)
セッションID: 3c1106-09-03
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体育方法 ポスター発表
全国レベルのジュニア競泳選手を対象とした相対的年齢効果の現状と切替日が参加者動向に与える影響について
全国JOCジュニアオリンピックカップを対象に
*吉見 譲
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抄録

【背景】多くの競技スポーツと同様に、競泳競技においても競技会に参加する選手の生まれ月や競技力に偏りが報告されている。このような現象を、相対的年齢効果(Relative Age Effect)と呼び、発育発達と選抜システムによる影響と考えられている。選抜システムにおける切替日を基準として、切替日に近い生まれ月の選手に有利に働き、遠い生まれ月へは不利に働く現象である。しかし、ジュニア競泳選手が参加する競技会の特徴として、年齢区分の決定方法は参加する競技会初日の満年齢とされている。つまり、競泳の競技会は年間を通じて多く開催されているため、競泳競技には明確な切替日が存在しないと考えることができる。【目的】そこで本研究は、全国大会レベルのジュニア競泳選手を対象に、相対的年齢効果の状況および切替日が選手の参加動向に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は、2001年から2009年に開催された春(3月末開催)および夏(8月末開催)のジュニアオリンピックカップに個人種目で参加した選手とした。選手の、性別、学齢、生まれ月および出場したレースの泳法・距離特性およびそのFINApointを算出し競技力を比較した。【結果および考察】参加選手数の割合は1-3月生まれが最も少なかったが、春の大会では7-9月生まれが、夏の大会では10-12月生まれが最も多かった。また、4-6月生まれと7-9月生まれで、春から夏の大会でで参加者の大きな減少がみられた。また、競技力については差がみられなかった。幅広い年齢層の参加する大会において、競泳競技においても相対的年齢効果が明らかになった。また、競技力で差がみられなかったのは、大会への参加には標準記録が設定されていることが影響していると考えらる。また、年齢区分の決定日(切替日)が変化することによって、特定の生まれ月で参加者数の増減がみられた。

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© 2023 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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