日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第73回(2023)
セッションID: 3c1101-05-04
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体育方法 ポスター発表
競泳男子100m平泳ぎにおけるスタート・ターンタイムとトータルタイムの相関分析
2012年〜2023年(2014年除く)の日本選手権の予選結果から
*荻原 謙太野口 智博
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抄録

競泳においてレースタイムを縮める要因として森山ほか(2004)は、泳ぎの技術を向上させることも大切だが、スタートやターンそして潜水動作といった泳ぎ以外の技術の向上も必要不可欠であると述べている。また、林ほか(2011)によると、100m平泳ぎにおけるターン後10mのタイムとレースタイムに正の相関があると示した。ただし、2010年に公式スタート台が変更され、スタート技術が進歩しているであろう点なども考慮すると、2011年当時の分析が現在でも当てはまるかは定かではない。そこで本研究は、100m平泳ぎにおけるスタート後15mのタイムとレースタイム、ターン後15mのタイムとレースタイムの2つの関係を検証し林ほか(2011)の検証との比較を行った。 対象は(公財)日本水泳連盟科学委員会が公表した2012年〜2023年(2014年除く)の競泳日本選手権男子100m平泳ぎ予選出場者のレース分析情報を対象(n=546)とした。分析データは日本選手権100m平泳ぎのレースタイム(レースタイム)スタートから15mまでのタイム(スタートタイム)と、ターン後の15mのタイム(ターンタイム:壁にタッチしてからの反転して壁を蹴るまでの動作も含む)を用いた。統計処理はレースタイムとスタートタイム、レースタイムとターンタイムの関係を、ピアソンの相関分析を用いて検証した。 その結果、レースタイムとスタートタイムの間、レースタイムとターンタイムの間ともに強い正の相関関係があることが分かった(r=0.740、r=0.866)。両者を比較すると、スタートタイムよりもターンタイムの相関の方が強い傾向が示されていたことがわかった。以上のことから、先行研究の示唆は現在においても同様であることがわかったが、年度ごとに比較すると異なる傾向を示した年度も見られた。詳細は当日発表する。

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