日本静脈経腸栄養学会雑誌
Online ISSN : 2189-017x
Print ISSN : 2189-0161
特集
患者の暮らしを考えた在宅栄養管理の実践に向けて
東口 髙志
著者情報
キーワード: 高齢社会, 食力, 内固外進
ジャーナル フリー

2015 年 30 巻 3 号 p. 761-764

詳細
抄録

わが国の高齢化は歴史上類を見ない速度で進行しており、年々医療を必要とする高齢者は増加の一途をたどっている。しかも、医療施設は地域を中心に年々閉鎖を余儀なくされ、この10年間で約8,000施設にまで減少した。医療の発展とともに人々が最後の時を過ごす場所が自宅から医療施設へと大きく変遷しており、例え在宅医療が可能であっても人的資源が減少する中いったい誰が高齢家族の介護や看取りをするのか。またそれにかかる経費をどのように捻出するのかなど、深刻に老後の暮らしを危惧しなければならない。そこでその対策として、以前より、栄養状態の改善による診療成績の向上と、在宅移行を含む地域医療連携の充実や地域完結型医療の推進などを提案し、栄養管理をわが国の社会福祉・医療体制の基盤とすべく努力してきた。本稿では、将来の社会状況をふまえて患者の幸せな暮らしを第一と考え、医療の内外におよぶ在宅栄養管理の実践について論じる。

著者関連情報
© 2015 日本静脈経腸栄養学会
次の記事
feedback
Top