2015 年 30 巻 3 号 p. 798-803
カテーテル関連血流感染症予防対策として用いられている7機種のニードルレスコネクター、およびゴム栓を針で刺入して接続・固定する方式である I-system®について、微生物侵入の可能性に関して実験的に検討した。(1)120時間接続後(長時間接続試験)、(2)70回の接続操作後(メスコネクター耐久試験)にメスコネクター表面に細菌を塗布する、(3)オスコネクターの接続部側面に細菌を塗布する(オスコネクター汚染試験)、の3種類の実験において、高率に細菌が侵入する機種があることが明らかとなった。I-system®ではどの実験でも細菌は侵入しなかった。本邦ではニードルレスコネクターは閉鎖式接続方式と呼ばれ、感染防止対策として有効であると考えられているが、使用方法によっては感染の機会を高める可能性がある。ニードルレスコネクターは針刺し防止を目的とした器具であり、感染防止効果は二義的なものであることを認識した上で、器具の特徴を理解して使用することが重要である。