抄録
症例は75歳、脳血管障害後遺症のため寝たきりの男性。施設入所中であったが胃瘻造設目的にて当院転院となった。転院時には栄養不良および仙骨部褥瘡を合併していたため、栄養サポートチームと褥瘡チームは合同カンファレンスを定期的に開催し、協働して患者ケアを実践した。胃瘻造設以外に胃癌や誤嚥性肺炎の治療を要したため約6か月の長期入院となったが、2つのチームが退院まで協働して積極的に患者ケアをおこない、栄養不良および褥瘡はともに改善した。各医療チームが別々に患者ケアをおこなうのではなく、専門医療チーム同士が協働して患者ケアを考え実践する「チームの連携」は、患者がかかえる疾病の改善および医療スタッフの質の向上につながると考えられた。