日本静脈経腸栄養学会雑誌
Online ISSN : 2189-017x
Print ISSN : 2189-0161
原著
小児クローン病患者における栄養療法および食事療法の QOLとの関連性について
船山 理恵小椋 千沙清水 香織国崎 玲子藤原 武男越智 真奈美高橋 美惠子松岡 朋子清水 泰岳新井 勝大
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 31 巻 2 号 p. 718-724

詳細
抄録

【目的】小児クローン病 (Crohn's Disease; 以下、CDと略) 患者における栄養療法・食事療法の QOLへの影響について検討する。【方法】小児 CD患者27名を対象に、栄養療法や食事療法に関するアンケート調査を行い、IBDQスコアを用いて QOLを評価した。栄養療法実施群と非実施群で IBDQスコアを比較し、重回帰分析により栄養療法・食事療法 と IBDQスコアの関連性を検討した。【結果】栄養療法実施群と非実施群の IBDQスコアに有意差は認めず、重回帰分析より「体調悪化を感じる」食品数が IBDQスコアに有意に関連し、一方で栄養療法は IBDQスコアに関連しないことが明らかとなった。栄養療法実施群では、実施の理由を「医師に言われたから」「病気の悪化を予防できる」と回答していた。【結論】栄養療法は患者の QOLに関連しないことが明らかとなった。栄養療法を行っている患者は、その意義と効果を理解していると思われた。

著者関連情報
© 2016 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top