日本静脈経腸栄養学会雑誌
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Print ISSN : 2189-0161
原著
経腸栄養剤における無機リン含有量の検討
北林 紘伊藤 直子高橋 睦美
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キーワード: 経腸栄養剤, 無機リン
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2016 年 31 巻 2 号 p. 725-730

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抄録

【目的】経腸栄養剤に含まれるリンの形態を検討するため、全リンおよび無機リンの測定を行った。【方法】経腸栄養剤16種類を用い、各試料を分画分子量1000の透析膜で透析した。透析膜中に残存した試料及び透析前の試料を灰化し、バナドモリブデン酸吸光光度法によりリンを定量した。透析前のリンから透析膜に残ったリンを差し引いたもの、すなわち膜を通過したものを無機リンとした。【結果】経腸栄養剤の全リンのうち無機リンの占める割合は22~ 99%であった。無機リンの割合は、成分栄養剤、消化態栄養剤及び流動食、半消化態栄養剤及び流動食の順に高い傾向がみられた。【結論】経腸栄養剤では、無機リン含有量が異なり、窒素源が小分子量であるほど多い傾向であることが示された。

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© 2016 日本静脈経腸栄養学会
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