日本静脈経腸栄養学会雑誌
Online ISSN : 2189-017x
Print ISSN : 2189-0161
研究報告
アンケート結果からみる、家族と医療者間 (一般病棟・療養病棟・老健保健施設・特別養護老人ホーム) の胃瘻造設に対する認識の相違
中西 真一粕谷 孝光小野 剛
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 31 巻 2 号 p. 742-747

詳細
抄録

【目的】最近は胃瘻に対して慎重であるべきとの意見が散見されるが、過去の報告で胃瘻造設をした家族の満足度は60~ 70%と決して低くない。今回胃瘻造設に対する家族と医療従事者側の考えの違いをアンケートで検討した。【対象及び方法】1) H22.4.1~ H25.3.31に当院で PEG造設術を施行した患者家族、2) 一般病棟・療養病棟に勤務している看護師・介護士、3) 老健保健施設・特別養護老人ホームに勤務している看護師・介護士・介護員を対象にアンケートを実施した。【結果】家族51人、医療従事者側213人 (一般病棟85人、療養病棟27人、老健保健施設43人、特別養護老人ホーム58人) だった。胃瘻に満足しているのは家族では74.5%で、医療従事者側の一般病棟39.0%・療養病棟30.8%・老健保健施設27.5%・特別養護老人ホーム14.3%より有意に多かった。自分自身で胃瘻を希望する家族は31.3%で、医療従事者側の3.4~ 11.1%より有意に多かった。【結論】家族は医療従事者側より、胃瘻に対して肯定的な意見が多かった。医療従事者側では、介護施設で胃瘻に対して否定的な意見が多かった。

著者関連情報
© 2016 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top