日本静脈経腸栄養学会雑誌
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臨床経験
ワルファリンとビタミンK含有高カロリー輸液の相互作用が問題となった症例の経験とNST薬剤師としての取り組み
並木 真貴子大石 英人橋本 尚武
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2016 年 31 巻 4 号 p. 1003-1006

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抄録
ワルファリンと、ビタミン Kを含む TPNキット製剤フルカリック®輸液を併用し、プロトロンビン時間国際標準比 (PT-INR) のコントロールに大きく影響を与えた症例を複数経験したので報告する。それらを通して今後の NST薬剤師としての対応を検討し、NST勉強会で院内スタッフへ情報提供を行った。両剤の併用に気づいたときには、NST薬剤師と病棟薬剤師が協同して、他の抗凝固薬もしくはビタミン Kを含まない TPN組成への変更を提案することを考えた。しかし、各抗凝固薬の適応の問題や、ビタミン K未投与による PT-INR過延長のリスクなど検討すべき課題もある。ビタミン Kの静脈投与量の見直しも必要であり、薬剤師は併用薬との相互作用のリスクを評価しながら栄養モニタリングに努めることが重要である。
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© 2016 日本静脈経腸栄養学会
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