抄録
リハビリテーション栄養とは、栄養状態も含めて国際生活機能分類 (ICF) で評価を行ったうえで、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことである。これまでも臨床的な重要性は感じられながら、実質的な取り組みは広まっていなかった。リハビリテーションの対象者には低栄養が多く、低栄養ほど ADLや QOLの回復が得られにくいことが徐々に明らかになり、リハビリテーション栄養管理による効果の向上が期待される。しかしリハビリテーション介入と栄養サポートの併用効果についてはまだエビデンスが不足しており、今後の課題である。リハビリテーション栄養の取り組みは、地域包括ケア時代を迎えた日本の医療・介護をつなぐ key wordになりえる。リハビリテーション栄養チームマネジメントのできる人材育成が重要である。そして世界一の超高齢社会を迎える日本における多くのリハビリテーション栄養管理の実践と研究が、世界へ発信され応用されるべきものになる。