2016 年 31 巻 6 号 p. 1243-1248
【目的】ICUにおける国際栄養調査の参加意義を検討する.【対象及び方法】参加前後の栄養管理の主導者,調査結果の共有方法,参加後の栄養管理改善の有無,コメディカルへの影響について,本調査の完遂経験がある本邦19施設にアンケートを行った.【結果】施設代表者100%,コメディカル63.2%の回答を得た.参加後は多職種参画の栄養管理が増えた.調査結果の共有を多職種で共有した施設は68.4%で,そのうち92.3%が「早期経腸栄養施行数が増加した」と回答し,医師のみで共有した施設の16.7%に比し有意に高かった (p<0.01) .多職種向け啓発活動を実施した施設は63.2%で,そのうち83.3%が「蛋白質投与量が増加した」と回答し,啓発活動未実施もしくは医師のみ対象に実施した施設の0%に比し有意に高かった (p<0.01) .【結論】国際栄養調査の参加は,多職種の栄養管理参画や栄養療法改善の契機となりうる.