日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
化学療法施行患者に対する栄養介入の意義~栄養士の立場から~
佐々木 めぐみ山崎 知子佐藤 正幸松浦 一登
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2018 年 33 巻 4 号 p. 995-999

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抄録

がん患者は、ほとんどの患者において著明な体重減少を認める。また、栄養障害はがん患者の生活の質(quality of life; 以下、QOLと略)を低下させるだけでなく、実際に化学療法の継続性を悪化させ、有害事象の発現率を増加させることが報告されている。そのため管理栄養士は、栄養介入が患者の治療完遂率、予後、QOLの向上に寄与することを理解し、より早期に患者と関わるべきである。注意すべき病態を理解しながら患者の全体像を把握し、個々の患者に合わせたタイムリーな栄養サポートを実施することが重要である。また、今後のがん化学療法患者の栄養管理では、患者に関わる様々な職種が栄養管理の視点から患者のわずかな変化を認識し、情報を共有してそれぞれの専門性を生かして栄養管理を行う必要がある。がん患者に対する栄養介入の効果が認められ、より社会に普及することが望まれる。

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© 2018 日本静脈経腸栄養学会
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