日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
小児内科領域の栄養管理
高増 哲也
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2019 年 34 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

小児の特徴は、成長・発達することにある。出生前後の栄養の重要性は、developmental origins of health and disease(DOHaD)やエピジェネティクスという言葉で表現され、注目されている。食物アレルギー予防の観点からも、出生前後の栄養のありようが見直されつつある。また、生活習慣病の予防という意味でも、小児期の栄養の重要性が指摘されている。本稿では小児の栄養管理において必要となる、栄養状態を把握する方法、すなわち食歴聴取と、身体計測、身体の診察について述べ、必要水分量と必要栄養量の算出方法について論じた。また小児の栄養管理を行っていく上で、病態ごとに対応が大きく異なるため、それぞれ少人数からなる栄養プロジェクトチームで活動する必要があることを述べた。例として重症心身障害、摂食行動障害、先天性心疾患、小児がん、食物アレルギーを紹介し、対応方法について述べた。小児の栄養管理に関する情報は非常に不足しており、英語文献から解決策を探っている状況にある。

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© 2019 日本静脈経腸栄養学会
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