日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
消化管の通過障害のある児と家族の看護
市六 輝美
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キーワード: 小児, 消化管通過障害, 看護
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2019 年 34 巻 1 号 p. 38-42

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抄録

小児の消化管の通過障害は、年齢や発達段階に沿って疾患・治療・看護の特徴がある。新生児期の消化管通過障害は、消化管閉鎖やヒルシュスプルング病などの先天性疾患や壊死性腸炎などに伴う通過障害が大半を占める。ストーマ・胃瘻・腸瘻ケア、中心静脈栄養管理などの医療的ケアを在宅で実施しながら入退院を繰り返すこともあり、成長発達を踏まえたケアを実施していく必要がある。幼児期以降の消化管の通過障害は先天性疾患よりも後天的な障害によるものが多い。摂食・嚥下機能が獲得できず、経口摂取ができない重症心身障害児の胃瘻造設は、quality of life(以下、QOLと略)向上やミキサー食注入のために幼児期以降に増加する傾向にある。胃瘻の皮膚トラブルは医療者が考えている以上に家族は負担を感じ、QOLに与える影響が大きいことを知っておく必要がある。患者・家族が在宅で過ごせるように医療者と家族が協働してケア方法を確立し、病院と地域が連携していく必要がある。

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© 2019 日本静脈経腸栄養学会
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