日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
カテーテル管理と医療安全
飯島 正平松岡 美緒四宮 聡蛇持 聖子見戸 沙織
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2019 年 34 巻 3 号 p. 147-153

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抄録

栄養療法実施のためには投与アクセスが必要で、静脈栄養では血管内カテーテルを介して栄養成分を投与することが可能となり、近年の医療成績の向上に果たした役割は大きい。しかし、本来は無菌で血液だけが流れている血管内へ異物でもあるカテーテルを留置し、栄養素を含む輸液製剤を人工的に投与している。その投与する成分によりpHや浸透圧が血液とは大きく異なる輸液を利用することもあり、カテーテルの留置を含め、様々な安全管理上の配慮も存在する。日常的に実施される静脈栄養下でのカテーテル管理は携わる医療者は施設全体に及ぶ。効果的な栄養療法のための安全なカテーテル管理には栄養療法を専門とする栄養サポートチーム(nutrition support team;以下、NSTと略)に加え、施設内の関連する部門がそれぞれの専門性を生かして協力し合い、施設の担うべき医療に貢献できる栄養療法の実践のために、施設全体で順守可能な手法を持つ必要がある。

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© 2019 日本静脈経腸栄養学会
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