日本静脈経腸栄養学会雑誌
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経腸栄養における医療安全
小山 諭
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2019 年 34 巻 3 号 p. 166-172

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抄録

医療安全は現代医療の根幹を支えるものであるが、すべての医療行為には何らかの危険が潜在しており、実際に100%安全な医療は存在しない。そのため様々なリスクが存在しうることを念頭に置いて、リスクを回避する、あるいはインシデントやアクシデントを最小限に留めるように対処することが大切である。そのためには適切な知識を身につけ、医療行為に潜んでいるリスクを常に頭の片隅におき、迅速に対応できるように心がけておくことが肝要である。経腸栄養は静脈栄養に比べ安価であり、感染性合併症が少なく、quality of life(以下、QOLと略)維持にも有用であり、腸管の使用が可能であれば経腸栄養を第一選択とすることが勧められている。しかし、経腸栄養においても当然、合併症は起こりうるものであり、場合によっては致命的となることもある。患者個々の状態・病態ごとに安全かつ適切に経腸栄養を施行することを心がける必要がある。

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© 2019 日本静脈経腸栄養学会
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