日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
薬剤師部会としての教育を振り返る
東海林 徹
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2019 年 34 巻 5 号 p. 305-310

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抄録

日本の栄養療法を薬剤師の栄養教育の観点から考察した。薬剤師は栄養に関することを薬学教育で学んでいるものの、臨床においてそれを十分に活用できないでいた。必要がなかったのかも知れない。しかし、栄養サポートチーム(nutrition support team;以下、NSTと略)の一員として活動するためには、栄養学の知識が必要になった。そこで、日本静脈経腸栄養学会(Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition;以下、JSPENと略)薬剤師部会では、臨床に役立つ栄養学を会員薬剤師に教育することを考えた。その教育では薬剤師に特化したことも合わせて考えた。たとえば、製剤、無菌調製、薬と食物(栄養食)との相互作用などである。これらを薬剤師部会の活動指針としてまとめた。会員薬剤師教育は、この活動指針に基づいて、基礎知識、臨床への応用そして最新の話題の三部構成からなる。基礎知識は学術集会前日の「薬剤師部会セミナー」、臨床への応用は「スキルアップセミナー」における多職種との症例検討、最新の話題は「パネルディスカッション」で行った。今後も教育は重要である。薬剤師に特化した教育は、本学会先人薬剤師の努力と活躍を理解することから始まると思う。さらには薬学に臨床栄養に関わる教育を望む。

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© 2019 日本静脈経腸栄養学会
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