体力科学
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高速レスピロメーターによる発育期男女の呼吸パターンの研究
IV.都市と農村の高校生の年令別変化
早川 真一
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1961 年 10 巻 1 号 p. 62-67

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抄録

都市の代表としての東京都内, ならびに農村の代表としての信州新町所在の15~17才の高校男女学生計257名の立位の呼吸図を3スピード式Collins型レスピロメーターで記録し, 肺活量, 一秒時限肺活量, 肺活量呼出所要時間, 最大換気量, 最大換気率, 呼予量, 一回換気量, 吸予量, 分時呼吸回数, 分時呼吸量の10測定項目の肺機能ノルムを算出した。
その結果, 15才の男子の機能発達は, 農村に依然として1年の遅れがみとめられたが, 16才でほとんど都市と同レベルに達した。しかし女子では農村の劣位が著しく, とくに動的機能では約25%も低かつたので, その原因として, 農村の旧態依然たる封建性にその主因を推定した。
あわせて, この年令層の肺機能は, 従来の20才代を遥かに凌駕しているため, いわゆる体型的な体位の向上だけでなく, 機能的な体位の向上が, 今日実質的に生じているものと結論した。

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© 日本体力医学会
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