体力科学
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運動中の心電図の短波無線搬送法について
岡 芳包宇都山 登関根 惟和野田 幸作
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1961 年 10 巻 1 号 p. 68-74

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抄録

スポーツに於ける運動中及びその前後, 即ち運動の全経過に於ける心電図を搬送記録するために, 心電図無線搬送用可搬型短波無線送信装置並びに受信記録装置を製作し, この装置を使用して, 距離40m, 勾配30度, 112段の石段に於ける全力疾走の心電図を疾走開始前から疾走中, 疾走後恢復経過をも含めて連続的に記録した。
被検者が背部に携帯する送信装置は胸部誘導電極から導いた心電流で約750c/sの副搬送波を周波数変調し, 更に7Mc/sの主搬送波を振幅変調して, 送信アンテナから輻射している。受信記録装置は受信アンテナで受けた主搬送波を受信機で検波して得た副搬送波を周波数弁別し, 更に増幅して心電図として記録する。又同時に副搬送波をテープレコーダーに録音し後に随時必要な部分を心電図として再生することができる。この方法はスポーツ医学のみならず, 人体生理学, 体力医学, 産業医学などの研究に広く応用されるべき新しい有力な実験方法と思われる。

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© 日本体力医学会
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