体力科学
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冬期順応をした人体を熱帯に移した場合の生体機能の変化について
小野 三嗣安部 勉荻野 光雄
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1961 年 10 巻 4 号 p. 215-226

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抄録
冬季に向つて準備されていたと考えられる日本内地人を, 11月中旬に急速に, 盛夏状態類似の赤道附近海域に導いた結果, 次のような所見を得た。
(1) 調査団員は一般に腋窩温が低下し, かつ体温の日変動型が乱れた。
(2) 口腔温と腋窩温との温度差が大になるのがみられた。
(3) 調査団員では急速に体重が減少し, ついで徐々に恢復に向い, 2ケ月半で元値に復した。
(4) 血圧は最高最低値共に減少した。
(5) 尿は1過性に蛋白尿, ウロピリノーゲン尿を示すものが増加した。
(6) 便秘に傾く者が増加した。
(7) クレペリン精神作業検査の初頭努力では, 平均作業量の少いものほど高温抑制を早く受け, 休憩効果率では作業量が大きいものほど影響が現われた。練習効果は熱帯地では現われにくい。誤謬率は変化しなかつた。
(8) 彰の伸びは気温上昇に反対して減少した。
(9) 脱毛は減少したが季節的な循環変化に一致し, 環境逆転の影響が認められなかつた。
(10) 頭垢は熱帯気象の影響を受け著明に減少した。
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© 日本体力医学会
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