体力科学
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剣道選手における神経筋協応能について (第2報)
小野 三嗣柳本 昭人山下 富士男倉田 博
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1969 年 18 巻 3-4 号 p. 72-82

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抄録
剣道熟練者5名, 未鍛練者6名について, 一歩踏み込み面打ち動作における, 打撃時と踏み込み足接地時との差, 打撃衝撃力, 踏み込み圧上昇率を検査すると共に, 正中面表示盤に対する左右両示指の接触時間差及び指示点坐標について若干の観察を行い, 大要次の如き結果を得た。
1) 未鍛練者は前足を踏み出して後, 打撃するが, 剣道熟練者は打撃して後踏みこんでいる。ただし, その時間差には有意差がない。
2) 打撃衝撃力は未鍛練者の方が大きく, 踏み込み足圧の微分値は剣道熟練者の方が大きい。
3) 左右示指の正中面表示盤に対する同時接触実験において, 顔面正面位では熟練者と未鍛練者の間に差がなく, かつ両群とも右示指の接触の方が早い。
4) 顔面を右, 或いは左に向けた場合の左右示指接触時差に与える影響は, 両群間において著明な差がある。
5) 左右示指接触点の坐標上の誤差の追究からは特別な傾向差を発見できなかった。
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