体力科学
Online ISSN : 1881-4751
Print ISSN : 0039-906X
ISSN-L : 0039-906X
腕立て伏臥腕屈伸の循環機能に及ぼす影響とエネルギー代謝
小野 三嗣谷嶋 二三男渡辺 雅之小川 芳徳谷 佳子松井 美智子平川 純子春日 規克
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 26 巻 2 号 p. 78-86

詳細
抄録

健康な男子20~55才の14名と, 19~26才の女子9名に腕立て伏臥腕屈伸を行わせた結果概ね次のような所見が得られた。
(1) exhaustion腕立て伏臥腕屈伸は心拍数を増大させ最大血圧を上昇させるが, 加令に従ってその程度が著しくなるようである。
(2) exhaustion腕立て伏臥腕屈伸は最小血圧に対して若年層では低下傾向を示すものもあるが, 中年以降は不変か上昇させるようである。
(3) exhaustion腕立て伏臥腕屈伸の身体に対する影響には性差がみられ, 最大血圧の上昇度及び心拍数の増加度共に男子の方が大きい。最小血圧に対しては男子でははじめから低下させられるが, 女子では始めに上昇し後に低下する。
(4) exhaustion負荷時と2/3負荷時との循環機能に対する影響の差は高年者ほど大きく女子よりは男子の方が大きい。若年男子に見られたexhaustion時の最小血圧低下現象は2/3負荷時には見られない。
(5) exhaustion腕立て伏臥腕屈伸のR.M.Rは概ね10ぐらいで, 比較的大きな酸素負債を持っていた。

著者関連情報
© 日本体力医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top