体力科学
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長距離走者の競技記録と無酸素的能力
山崎 省一青木 純一郎
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1977 年 26 巻 2 号 p. 87-95

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抄録
(1) 持久的競技の成績におよぼす無酸素的エネルギー出力の意義を検討するために, 同一水準の最大酸素摂取量 (約70ml/kg・分) を有しながら, 5, 000m走記録が有意に異なる (p<O.01) 2群の長距離選手各6名を対象に, 無酸素的代謝閾値, 無酸素的パワー, 血中乳酸濃度, 最大酸素負債量ならびに非乳酸性および乳酸性酸素負債量を測定した
(2) 5, 000m走記録と有意な相関のみられたパラメータは, 最大酸素負債量の絶対値 (p<0.01) , 体重1kg当りの最大酸素負債量ならびに非乳酸性および乳酸性酸素負債量の絶対値 (p<0.05) であった。
(3) 高い競技成績を有する群の最大酸素負債重は, 低い競技成績を有する群のそれよりも統計的に有意に大きかった (p<0.05) 。その他の測定項目においては統計的な有意差は認められなかった。
(4) 以上の結果から, 同一水準の最大酸素摂取量を有する長距離選手の競技成績に有意な差を与える要因は, 最人酸素負債量であると結論した。
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© 日本体力医学会
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