体力科学
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水泳運動が視覚器に与える影響
小森 康加河野 一郎斉藤 まゆみ坂田 勇夫
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1999 年 48 巻 3 号 p. 403-411

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抄録
本研究では, 運動形態, 運動強度, および流水速度について, 5種類の異なる水泳運動条件を設定し, 諸条件の変化が視覚に与える影響について検討を加えた.その結果,
1) 伏し浮きを行わせた静水条件における視覚機能は, 安静時と比較して変化が認められなかった.
2) 伏し浮きを行わせた静水条件と比較して, 伏し浮きを行わせた高速度流水条件, クロール泳を行わせた高強度運動条件では, コントラスト感度, 深視力などの視覚機能が低下を示した.
3) 主観的痛覚度は, 流水速度の増大にともない上昇した.これは角結膜上皮に障害が発生している可能性が考えられた.また, この時に観察された瞬目回数の増加は, その上皮障害を緩和しようとした結果であると考えられた.
4) 水泳運動に伴う視覚機能および視覚器の変化には, 流水速度の増大が関与していることが推察された.
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© 日本体力医学会
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