日本門脈圧亢進症学会雑誌
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総説
異所性静脈瘤の臨床
佐藤 隆啓山崎 克赤池 淳
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2009 年 15 巻 2 号 p. 149-153

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抄録
異所性静脈瘤の頻度は内視鏡あるいはIVRで治療した食道胃静脈瘤患者1218例中43例(3.4%)であった.その中で頻度が最も多かったのは直腸静脈瘤であった.異所性静脈瘤全例に食道胃静脈瘤の治療歴あるいは並存を認めた.小腸静脈瘤症例にはいずれも腹部手術歴があった.異所性静脈瘤出血例は内視鏡あるいはIVR治療により,全例で出血コントロールが可能であった.肝硬変や肝癌の治療成績の向上や食道胃静脈瘤に対する治療が確立されたことにより,門脈圧亢進症患者の病態において異所性静脈瘤の頻度が増加する可能性は高く,その対策は重要である.
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© 2009 日本門脈圧亢進症学会
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