抄録
症例は81歳,男性,C型肝硬変.自宅にて下血し,大腸内視鏡検査で直腸静脈瘤を指摘された.瘤は直腸Rbに全周性に存在し,肉眼形態はF2,Cb,RC2であった.造影CT検査で瘤の血行動態を精査すると,流入路は下腸間膜静脈,流出路は両側内腸骨静脈であった.瘤の大きさから内視鏡的硬化療法は可能と予想されたが,血流停滞を得るのに特殊な工夫が必要であり,IVRによる血流制御を併用する方針とした.流入路である下腸間膜静脈をバルーンカテーテルで閉塞し,血流の停滞を確認後,5% EO 10 mlで内視鏡的硬化療法を施行した.治療12か月後の大腸内視鏡検査では再発を認めなかった.本法のようなIVRと内視鏡の両特徴を生かしたハイブリッド治療は過去に報告例がなく,治療を安全かつ根治的に行うための1方法になりうると考えられた.