日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
Print ISSN : 1344-8447
ISSN-L : 1344-8447
総説
門脈圧亢進症における全身循環亢進と肺循環異常
藤崎 宏之野浪 敏明永田 博
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 21 巻 4 号 p. 202-208

詳細
抄録
門脈圧亢進症は心拍出量増加,末梢血管抵抗低下に示される全身循環亢進を呈する.この発生要因として循環血漿量の増大,estrogen, false neurotransmitter, catecholamine, glucagon, endotoxinなどの増加,血管の拡張あるいは収縮を引き起こすNOやendothelinなどの関与がある.門亢症の全身循環亢進は代謝を維持するために代謝低下の代償的意義があると考えられる.門亢症は肺循環にも異常をきたし,低酸素血症や肺shunt率の上昇がみられる.肺血管抵抗は低下し,肺循環においてもhyperdynamic stateである.低酸素血症の原因は,肺内シャント,換気血流不均等などである.Steroidは肺shunt率を低下させ,PaO2を改善させる.門亢症患者の外科手術後や肝不全などの全身管理が必要な時には,全身循環亢進や肺循環異常を考慮した管理が重要である.
著者関連情報
© 2015 日本門脈圧亢進症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top