日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
5% EOI(Ethanolamine oleate with iopamidol)による塞栓が困難でN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)によるB-RTOを施行したB型肝硬変症の1例
古山 準一水尾 仁志
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2015 年 21 巻 4 号 p. 222-228

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抄録
70歳,女性.2010年5月B型肝硬変症にてentecavir開始.2012年4月,肝性脳症発症.血小板数は3~4万/μl台.CT検査にて腎および横隔静脈系短絡路を認めた.部分的脾動脈塞栓術後のB-RTOでは後胃静脈(PGV)中心にethanol(ET),microcoil, EOIで治療.その後,特発性細菌性腹膜炎を生じ肝性脳症も認めた.2回目のB-RTOではPGVおよび短胃静脈(SGV)にET, EOIを注入するも無効.3回目のB-RTOではPGVおよび左胃静脈をN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)にて塞栓.SGVにEOIを注入した.術後CTにて太い短絡路の半分に閉塞を認めたが腎静脈系短絡路は開存していた.その後,肝性脳症の再発はなく,ICG R15の改善を認めた.EOIを中心としたB-RTOでは難治性であったがNBCAにより限局的塞栓が達成され肝機能の改善が得られた.
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© 2015 日本門脈圧亢進症学会
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